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小学校入学前の三種混合ワクチンの接種

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小学校入学前の百日咳ワクチンの接種 MR(Ⅱ期)、おたふくかぜ(2回目)ワクチンと同時に三種混合ワクチンを接種を  百日咳は百日咳菌が感染でおこります。典型的な症状は発作性の咳で、乳児がかかると非常に重症になります。このような咳は数週間継続します。 ひどくなると、肺炎、痙攣を合併し、脳障害を引き起こしたり、死亡することもあります。  百日咳予防のために、四種混合(百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合:DPT-IPV)ワクチンの初回接種を生後3か月から乳児期に3回、1歳以降に1回の追加接種を受けます。日本の定期接種スケジュールではそれ以降に百日咳ワクチンの接種はありません。  2017年末に三種(百日せきジフテリア破傷風)混合ワクチンが再発売されました。百日咳の予防のために任意接種として、小学校入学前に三種混合ワクチンを受けましょう。 年齢別の抗体保有率(感染症流行予測調査) 感染症流行予測調査は予防接種法に基づき厚生労働省が定期的に行っている調査です。グラフは年齢別の百日咳毒素(Pertussis Toxin:PT)に対する抗体を持っている人の割合を示しています。乳児の発症防御レベルの目安とされる10 EU/mL以上の抗PT抗体保有率(青線)は、予防接種により乳児期に90%以上になりますが、1歳以降徐々に低下し、5歳には30%未満となります。以降年齢とともに抗体保有率が増加します。抗PT抗体は百日咳ワクチンの接種または百日咳に感染以外には誘導されません。したがって、6歳以上の年齢で、抗体保有率が上昇するのは自然感染によると考えられます。 百日咳抗体(抗PT抗体)保有状況 2013年 年齢別の百日咳罹患率(百日咳の頻度) 従来、百日咳は指定された医療機関だけから報告される制度でしたが、2018年1月から診断した百日咳をすべて報告する制度(全数把握疾患)に変更されました。全例が報告されるようになると、年齢別の百日咳患者数がわかり、人口から推測した罹患率が算出できるようになりました。グラフは2018年1月から2018年12月までの1年間に感染症発生動向調査週報に掲載された報告数から算出した年齢別の罹患率を示しています。  1歳未満の乳児は罹患率が高く、早期にワクチン接種が必要なことを示しています。1歳以上の幼児の罹患率