小児のインフルエンザ 2026年9月更新
小児のインフルエンザ(2026年9月改訂) インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型、D型の4種類がありますが 、人に季節性流行を引き起こすのはA型とB型インフルエンザウイルスだけです。 A型インフルエンザウイルスは最も重篤な臨床疾患を引き起こし、ヒト集団における季節性流行やパンデミックの最も一般的な原因です。 症状と合併症(図1) インフルエンザウイルスに感染した場合は、無症状のことや軽微な症状のこともありますが、重篤な合併症のために死亡することもあります。通常、突然始まる発熱、筋肉痛、頭痛、倦怠感、空咳、咽頭痛、鼻づまりなどの症状を特徴とします。吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状も小児ではよく見られます。また、結膜炎や眼痛を認めることもあります。インフルエンザの潜伏期(感染から症状発現までの期間)は1~4日、平均2日です。ウイルスは通常、症状発現の1日前から5~7日後まで排出されます。 多くの人は数日から2週間で症状が改善します。しかし、経過中に種々の合併症が出現し、生命を脅かされることもあります。 呼吸器合併症は小児から高齢者まで生じることがあります。小児では、クループ、気管支炎、中耳炎が起こることがあります。全年齢において、一次性インフルエンザウイルス性肺炎と二次性細菌性肺炎を起こすことがあり、呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などを起こす可能性があります。 神経合併症には、脳症、脳炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎が報告されており、成人よりも小児に多く見られます。乳幼児は熱性けいれんを起こすことがあります。一過性の意識低下や完全に回復することもありますが、後遺症を残したり脳死を伴う劇症急性壊死性脳炎が発生することもあります。 BMJ 2016;355:i6258 doi: 10.1136/bmj.i6258 図1 インフルエンザの症状と合併症 今シーズン(2026/27シーズン)は、8月末に流行期が宣言され、インフルエンザAウイルスが検出されています。しかし、昨シーズンとは違い検出されているのは、現在A/H1N1pdm09 亜型ウイルスです。このウイルスは2009年に新型インフルエンザウイルスによるパンデミックを起こしたウイルスです。2009年から2010年は、小児が流行の中心で、重症の肺炎や脳症の...